「過去を追うな。未来を願うな。
過去はすでに捨てられ、未来はまだやってこない。」
これはブッダの言葉です。
とてもシンプルですが、現代を生きる私たちにとって、深く胸に響く教えではないでしょうか。
私たちは日々、
「あのとき、ああすればよかった」
「この先、どうなってしまうのだろう」
そんな思考に心を奪われがちです。
しかし実は、心が重くなる原因の多くは「今ここにいないこと」にあると、脳科学の分野でもわかってきています。
脳は「過去」と「未来」に弱い
人の脳には「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」と呼ばれる仕組みがあります。
これは、何もしていないときに勝手に働き出し、過去の後悔や未来の不安を次々と思い出させる脳の回路です。
このDMNが活発になりすぎると、
・不安
・落ち込み
・疲労感
を感じやすくなることが、研究でも示されています。
つまり、考えすぎている状態=脳が休めていない状態なのです。
「今」に意識を戻すと、脳は落ち着く
一方で、
・呼吸に意識を向ける
・今見えている景色を感じる
・体の感覚に気づく
こうした「今ここ」に注意を向ける行為は、脳の興奮を鎮め、安心を司る神経系を優位にすると言われています。
これは近年注目されているマインドフルネスとも深く関係していますが、実はブッダの教えそのものでもあります。
ブッダはずっと昔から、
「人は“今”に戻ることで苦しみから自由になれる」
と説いていたのです。
過去は学び、未来は信頼する
大切なのは、
過去を無理に消そうとすることでも、
未来を完璧にコントロールしようとすることでもありません。
過去は、責める材料ではなく「学び」として受け取り、
未来は、不安で縛るものではなく「信頼して委ねるもの」。
そうして意識を「今」に戻すと、
脳は静かになり、
心は少しずつ緩んでいきます。
今この瞬間が、あなたの居場所
今感じている呼吸。
今ここにある体温。
今できる、ほんの小さな選択。
人生を変えるのは、大きな決断ではなく、
こうした「今」に戻る積み重ねなのかもしれません。
過去はもう役目を終え、
未来はまだ訪れていない。
だからこそ、
今この瞬間を大切に生きることが、
いちばん確かな生き方なのだと思います。
あなたが立っている「今」こそが、
本当の居場所なのです。




